岸田首相退陣の真相、混迷の自民党政局が始まる

「自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は、私が身を引くことであります」
岸田文雄首相は8月14日、緊急で記者会見を開き、9月に実施される自民党総裁選に出馬しない意向を明らかにした。
日本の総理大臣が3年ぶりに交代することとなり、政界は次の総理選出に向けて混迷の政局に突入していく。
一方、岸田首相自身は退陣を決断するギリギリまで、総裁選で再選して総理を続投する道を模索していた。
彼の思いはどのように潰えていったのか。そして、自民党総裁選の動きはどうなっていくのか。
元新聞記者で現役ジャーナリストの異色VTuber、ブンヤ新太が解説する。
記者VTuberブンヤ新太の「ニュース読解塾」では、世間を揺るがす大事件から政治、経済、社会問題、国際情勢まで、さまざまな現場を取材する現役ジャーナリストが一歩踏み込んだ解説をしています。
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幻となって消えた岸田首相の続投
岸田首相が退陣を表明する約1週間前の8月6日。
麻生太郎副総裁は都内の日本料理店で森山裕総務会長と向き合っていた。
麻生氏は岸田首相を後見人として支え、再選に向けた道筋作りに取り組んでいたが、その時に頼りにしたのが森山氏だった。
森山氏は自民党の中でも人脈に長けている政治家として知られ、反岸田勢力の中心人物である菅義偉前首相とも太いパイプがある。
彼にうまく動いてもらえば、反岸田勢力を突き崩せるかもしれない。
そうした淡い期待を胸に、岸田政権が続投した場合は森山氏を幹事長で厚遇する案も挙がっていた。
この日も麻生氏は「首相はやるべきことに取り組んでいる」と森山氏に水を向け、森山氏も「その通りだ」と同調したが、一方で党内情勢が厳しいという認識でも一致した。
結局、岸田首相は再選どころか総裁選への出馬すらできず、続投は幻となって消えていった。
岸田首相再選が不可能と見られた最大の理由
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